東海道山陽新幹線のぞみとひかり・さくら・こだま 空いているのは?

東海道山陽新幹線のぞみとひかり・さくら・こだま 空いているのは?

東京~名古屋~新大阪~博多(福岡市)間を結ぶ東海道山陽新幹線の最速達列車「のぞみ」。ただ速達運転を行うために「のぞみ」は停車駅を絞っており、通過駅に需要を拾うために東海道新幹線には「ひかり」や「こだま」、山陽新幹線には熊本・鹿児島中央直通の「さくら」で補完しています。

一見最も速い「のぞみ」が混みそうですが、実際のところ「のぞみ」と「ひかり」「さくら」「こだま」、どちらの方が混んでいるのでしょうか?

そもそも東海道新幹線・山陽新幹線の列車とは

そもそも東海道新幹線・山陽新幹線にはどのような列車を運転しているのでしょうか。

東海道新幹線は、もっとも停車駅が少なく東京・品川・新横浜・名古屋・京都・新大阪のみ停車の速い「のぞみ」、通過駅はあるもののそれ以外の駅にも停車する「ひかり」、全駅停車の「こだま」の3種類があります。停車駅が多いため「ひかり」は「のぞみ」に抜かされますし、「こだま」は「のぞみ」や「ひかり」に抜かされます。全列車が16両編成での運転で、使用車両もすべての列車で共通しています。

東海道新幹線の列車本数概要は以下の通り

  • のぞみ:16両 平時毎時4本~毎時6本、混雑時最大毎時9本、多客時最大毎時12本
  • ひかり:16両 毎時2本
  • こだま:16両 毎時2本、朝夕は毎時3本

一方山陽新幹線は、東海道新幹線と直通する「のぞみ」、九州新幹線と直通する「みずほ」「さくら」、ほぼ各駅に停車する「ひかり」「こだま」の3種類に大別されます。「みずほ」や「さくら」は「のぞみ」に抜かされることはまずなく、直通先によって種別がわけられているといってよいでしょう。

「のぞみ」は東海道新幹線と直通する関係で16両での運転ですが、ほかの列車はたいてい8両での運転となっています。また8両編成は指定席が2人掛け&2人掛けとすることで1両当たりの座席数が20%程度少なくなっています。このため16両編成の場合定員1,323人のところ、8両編成は546人しかなく、1本の列車で16両編成の4割程度しか運べません。

山陽新幹線の列車本数概要は以下の通り

  • のぞみ:16両 平時毎時2本~毎時3本、混雑時最大毎時4本、多客時最大毎時7本
  • みずほ・さくら:8両 毎時1本、朝夕は毎時2本、多客時最大毎時3本
  • ひかり・こだま:8両(一部16両) 毎時1本、朝夕は毎時2本

この中で最速達の「のぞみ」は時間帯によって列車本数を大きく変えます。これは「のぞみ」は指定席が埋まりそうになったら上限まで直近でも列車を増やして1人でも多くの人を座らせようとするためです

ではこれらをを踏まえたうえで、それぞれの時期で新幹線のどの列車が混みやすいのか、見ていきましょう。




ふつうの平日や土日の場合

いわゆる一般的な週回り、つまり平日が週5日あって土日がやってくる普通の1週間の場合を見ていきましょう。

まず東海道新幹線は「こだま」の自由席は昼間本当に空いています。朝夕は東京~静岡間で混みやすいですが、正直「のぞみ」「ひかり」ほどではありません

一方、「ひかり」はそこそこ混みます。東京~静岡間で見たら正直「のぞみ」と変わりません。もっとも静岡より西側では空きやすいので、名古屋~新大阪間では空いていることが多くなります。

そう考えると、一般的な週まわりでは東海道新幹線では「のぞみ」「ひかり」はそこそこ乗っていて、「こだま」は空いています。ただし基本的に座れない・満席で予約できないということはありません。

一方、東京発金曜や日曜の夕方は利用者は多いですが、先述したようにその分17時台~19時台に「のぞみ」を毎時9本も運転してでも着席させようとするわけです。一方「ひかり」「こだま」はまず増発してくれません。

よって、東京~名古屋~新大阪間では「のぞみ」は「ひかり」「こだま」よりかは混みますが、座れないほどであれば「のぞみ」を増発しますので積極的に「のぞみ」に乗りましょう

一方、山陽新幹線は九州新幹線直通の「みずほ」「さくら」が8両編成と短いこと、長い16両編成の「のぞみ」の利用の大半は東京~新大阪間で新大阪~博多間はあまり混んでいないことから、「のぞみ」は空いています。もっとも「みずほ」「さくら」の普通車指定席は2人掛け&2人掛けですが。こだわりがなければ山陽新幹線内でも「のぞみ」を積極的に利用しましょう




三連休の場合

次に三連休の場合。

土日と比べると旅客は増えますが、先述した通り「のぞみ」はすぐに臨時便を出して増発します。一方で東海道新幹線「ひかり」「こだま」はまず臨時列車を出さないほか、山陽新幹線「みずほ」「さくら」は羅小増発することがあるかなくらいで、「のぞみ」と比べるとそこまで増発しません。

つまり、「ひかり」「さくら」「こだま」は平時と大して運転本数が変わらないのに旅客が増える一方、「のぞみ」は旅客が増える分だけ増発します。このため三連休では東海道山陽新幹線全線において「のぞみ」の方が空きやすくなります




ゴールデンウィーク・お盆・年末年始の場合

では1日当たりの新幹線の利用者数がさらに多くなるゴールデンウィーク・お盆・年末年始ではどうなるのでしょうか。

ここでは東海道新幹線を運営するJR東海や山陽新幹線を運営するJR西日本が公式に出している「2023年度ゴールデンウィーク期間のご利用状況」から見ていきましょう。

まずは東海道新幹線を運営するJR東海。

ゴールデンウィーク期間は多客時ですので、「のぞみ」毎時12本、「ひかり」毎時2本、「こだま」毎時2本の運転があります。すべて同じ16両編成ですから、このデータをもとに毎時本数で割っていくと、

のぞみ:247.3万人÷12=20.6万人
ひかり:58.2万人÷2=29.1万人
こだま:51.2万人÷2=25.6万人

この計算を見ると、なんと一番混んでいるのは「ひかり」で、一番空いているのは最も速い「のぞみ」なのです!

実際に東京駅を見ても、「こだま」や「ひかり」ではかなり待機列が長いですが、「のぞみ」ではあまり見られません。それもそのはず、1列車あたりでは「のぞみ」の方が空いているんだから




次に山陽新幹線を運営するJR西日本。16両編成と8両編成が混在しますので8両編成に対しては指数による表記とします。

ゴールデンウィーク期間は多客時ですので、新大阪~岡山間では16両「のぞみ」毎時7本、8両「みずほ」朝夕に毎時1本、8両「さくら」毎時2本、16両「ひかり」毎時1本、8両「こだま」朝夕に毎時1本の運転があります。このデータをもとに終日毎時1本以上ある列車で計算をしていくと、

のぞみ:119.0万人÷7=17.0万人
さくら:16.3万人÷2=8.15万人 8両編成補正指数8.15万÷0.41=19.8万
ひかり:12.5万人÷1=12.5万人

新大阪~岡山間で各駅に停車する「ひかり」(岡山~博多間はこだま相当)は多く抜かされるのに16両編成だから空いているというのはあります。が、ほぼ所要時間の変わらない「のぞみ」と「さくら」で比べると「のぞみ」の方が空いています

しかも「のぞみ」は東海道新幹線直通の速達列車ですから新大阪~岡山間で乗っている人たちは岡山や福山、広島、新山口などでどんどん降りてしまいます。九州に入る小倉や博多では44.4万人しか残っておらず、新大阪~岡山間の4割程度、つまり半分も残っていません。つまりそれだけ「のぞみ」は西へ行けば行くほど空きます。

一方「みずほ」「さくら」は九州新幹線直通の速達列車ですから、福岡県南部や佐賀、熊本、鹿児島へ向かう人がこぞって乗ります。このため小倉まで来ても「さくら」は14.5万人と新大阪~岡山間の9割、つまりほとんどが残っています。

そう考えると山陽新幹線新大阪~博多間でも「さくら」や「ひかり」「こだま」より最速達の「のぞみ」が空いていると言えるでしょう

よって、ゴールデンウィーク・お盆・年末年始であっても「のぞみ」が一番空いていますので、積極的に一番速い「のぞみ」を利用しましょう


結論

結論、「のぞみ」はたいてい座れます。「のぞみ」が混んでいて座れないときは「ひかり」「さくら」「こだま」の方がよっぽど座れません。ゴールデンウィーク・お盆・年末年始を含むどんな時期であれ「のぞみ」が停まる駅同士の利用なら最も速い列車である「のぞみ」に積極的に乗りましょう

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